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Wat's your name?

【頼りなくても頼ってほしい】

「お客さま、これ以上ここでさわぎをおこされますと、トレーナーカードの没収およびトレーナー資格の剥奪となります。おやめくださいまし」
「るっせえ! そっちがケンカふっかけてきたんじゃねえか! 俺は悪くねえ!」
「売り言葉に買い言葉、にございます。ケンカを売られたら、ポケモンで勝負をするのが、トレーナー同士の礼儀ではありませんか?」

 言葉につまってしまった男に、さらに言う。

「そもそも、あなたさまがそちらのマメパトにしたことは、りっぱな犯罪。警察につきだされたくなくば、今すぐお帰りくださいまし」
「…ぐっ…! もういい! こんな弱いポケモンもいらねーし、こんなとこにもこねえよ!」

 床にマメパトのものらしきモンスターボールをたたきつけると、びくっとして涙目になったマメパトが男を見た。

「てめえなんか、勝手にどこへでも行きやがれ!」

 言いすてると、男はさっさとギアステーションをさって行く。

「クダリ、あのかたをギアステーションから永久追放する手続きをおねがいします」
「だね」
「お客さまは、こちらへ。傷の手当てをいたしましょう」
「私はいいんです。でも、あのマメパトを…」

 ゆっくり近づいたにもかかわらず、少女におびえているマメパト。少女が手をのばしたとたん、手をつつく。

「お客さま!」
「…っ! だまっててください! …痛かったね、こわかったね…! もうだいじょうぶだから…」

 血がでるほどつつかれているというのに、少女はまったくひるまない。

「だいじょうぶよ。もう、あなたを独りにしないから…ね?」

 まっすぐに見つめてくる少女に、マメパトがかたまった。じっと、少女をうかがっている。

「だいじょうぶ。私が、あなたを連れて行くから」
「…く…」
「おいで。だいじょうぶ。もう誰も、あなたをいじめたりしないよ」

 とことこと、おぼつかない足どりで少女に近づくマメパトを、少女はやさしく抱きしめた。

「ほら、もうだいじょうぶでしょ? すぐに、ポケモンセンターに連れて行ってあげるからね」

 マメパトをモンスターボールにおさめると、少女は突然走りだす。

「あっ、お客さま…! クダリ、あとおねがいします!」
「うん!」

 少女を追いかけ、ノボリもポケモンセンターにかけこんだ。

「マメパトが傷だらけなんです! おねがいします!」
「だいじょうぶですよ、落ち着いてください。すぐに治りますから。…それに、あなたも傷だらけよ?」
「私はいいんです。はやくマメパトを…!」
「彼女はわたくしがなんとかします。わたくしからも、どうかおねがいいたします」

 サブウェイマスターであるノボリに頭をさげられ、ジョーイはとまどっているようだった。

「え、ええ…はい」

 マメパトの治療をしているあいだに、ノボリはポケモンセンターの救急箱を拝借すると言う。

「あなたさまも、治療をしないといけません。マメパトが心配なのはわかりますが、ジョーイさんにおまかせしておけば、かならず元気になります」
「…はい…」





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