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Wat's your name?

【君をさがして】

「わかっています。…しょうしょうさがしものをしますから、しばらくだまっていてくださいまし」
「…はーい」

 カタカタと、キーボードをたたく音。ときどき、マウスを操作する音もする。どうやら、インターネットで調べものをしているらしい。

「ありました! やはりそうでしたか、あのかたがジョウトの…」
「え、なになに?」
「これを見てくださいまし。このかた、あのお客さまではありませんか?」
「んー、ちょっとおとなっぽくなってたけど、すごくよく似てるね」
「それにこの殿堂入りデータのピカチュウ、これはおそらく、先ほどわたくしが見たピカチュウに違いありません」

 ジョウトのジムを全制覇し、行方不明となっていたセキエイリーグのチャンピオン・レッドにかわり、チャンピオンになった少女。
 たしか、彼女はカントーのジムも全制覇したと聞いたが……。

「ぼくが聞いたうわさだと、ホウエンのジムとリーグを制覇してからは、行方不明って話だったよ?」
「ええ。それに、このころはまだ10代前半といった様子ですが、今はどう見ても10代後半。そう考えれば、つじつまはあいます」
「でもさ、何年も行方不明だったのに、なんで今さらイッシュにきたのかな?」

 たしか彼女は、復活したロケット団をつぶしたと聞いた。あるいは。

「プラズマ団のうわさを聞いたのでは?」
「わかんないけど…なんでノボリは、そんなにあの子のことが知りたいの?」

 はっとした。……たしかにこれは、お客さまである彼女の個人情報。勝手に調べて、ましてやいらぬせんさくなど、してはならないはずだ。

「…そうでした。わたくしとしたことが…」
「ノボリ、あの子とまた戦いたいの?」
「そう…なのかもしれません。ひさびさに手応えのある相手でしたから」
「ぼくも戦ってみたい」
「…ええ…」

 なぜ彼女がイッシュにいるのかはともかくとして、それほどの強い相手なら、戦ってみたいと思うのがトレーナーだろう。

「ダブルトレイン、乗らないのかなー」

 わくわくしているにちがいない弟に、苦笑いを返した──。



 翌日。

「ノボリノボリ!」
「…どうしました?」
「あの子きた! ダブルトレイン、1回でぼくに勝った! ぼく、今からスーパーダブルに乗る! ノボリもきなよ!」
「ですが、マルチトレインでもないのに…」
「だいじょうぶ! 見学オッケー!」

 すっかり興奮してしまっているクダリに、なかばひきずられる形でスーパーダブルトレインに乗車する。

「ぼく、クダリ。サブウェイマスターをしてる。今回はノボリが見学する。いい?」
「…はあ…?」
「じゃ、すっごい勝負、はじめる!」

 興奮していても、バトル自体は冷静な判断をするクダリは、いつもの要領で技をくりだして行く。だが、結果はクダリの負け。

「ぼく、クダリ。きみに負けちゃった。きみ、強い」
「ありがとうございました。それじゃ」

 行ってしまおうとする少女を、クダリが目配せでとめるよう言ってきた。

「ですがクダリ!」
「ノボリ、はやく!」





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