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Wat's your name?

【あの、…何でもないです。】

「…ノボリさん、実は女性にモテないでしょう?」
「…はい。よく言われます」

 ノボリさんたちの家は、ノボリさんが掃除をしているらしく、完璧といっていいほどきれいだ。
 しかも、なんだ、この人……。料理も完璧とか! 奥さんいらないじゃない!? むしろ私がノボリさんを嫁にもらいたいくらいだわよ!

「クダリも家事はできるのですが、やはりあれですから、できないと思われてしまうようです」
「…ある意味、クダリさんのほうがそんしてますよね。なんていうか、雰囲気で」
「そうでしょうか? わたくしはむしろ、クダリのように世渡りじょうずになりたいと、常日頃思っております」

 ……え、クダリさんみたいなノボリさん……?

「…悪いことは言わないので、ノボリさん、そのままでいてください」
「…え? …はい。名前さまがそうおっしゃるなら…」

 うわ、ほおそめた! かわいい!

「あの、名前さま…」
「はい」
「…いえ、なんでもありません」

 ……ノボリさん?

「あ、あの、やはり言わせてくださいまし!」
「は、はい…!」
「わっ、わたくしと、デっ…デートしてくださいまし!」
「は、い」
「よろしいのですか!?」

 ノボリさんのいきおいにおされて、思いきり首を縦にふる。

「では、では、今からまいりましょう! 夕食は外ですませばよいのです!」
「…はあ、はい」

 なかばひっぱられるようにして、カナワの街を歩いた──。



「今日は、たのしかったです。ありがとうございました」
「あの、また…おさそいしてもよろしいでしょうか…?」
「え? …あ、はい、私でよければ…」
「…よかった。では、わたくしはこれで…」

 ノボリさん、本当に紳士だなあ…。ちゃんとおくってくれたし。

(やだなあ、私…ノボリさんが好きなんだ…)

 どうせ片想いでおわるんだし、はやめにあたってくだけちゃおうかな。

「ノボリさん待ってください!」
「はい?」
「私、ノボリさんが好きみたいです」
「…はい? もう一度、言ってくださいまし」
「ノボリさんが好きです。もちろん、男性として…。あ、あのでも、お付きあいしてほしいとかじゃな…」

 なにが起こったのか、しばらく理解できなかった。……どうやら、ノボリさんに抱きしめられたらしい。

「わたくしは、自分の片想いだと…あきらめるつもりでおりました。ですが、名前さまのお気持ちがわたくしにあるとわかった以上、もうなにも遠慮はいたしません」

 と、ノボリさんの顔がせまってきて、触れるだけのやさしいキスがふってきた。

「わたくしも、あなたさまをお慕いしております。わたくしと、お付きあいくださいまし」
「は、はい!」

 ノボリさんが実はむっつりスケベだと知ったのは、それから3日ほどすぎてからのことだ。
 そんなところまでもが愛おしい、なんてことは、ノボリさんにはナイショにしておこう……。

ENDE 111001



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