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Wat's your name?

【1目見た時から私の世界は君だけだった】

 インゴとエメットが名前を連れさったことで、ノボリのイライラはマックスにたっしていた。

「…ねえ、ノボリ。インゴって人、わざとやってるように見えた。もしかしたら、ノボリが嫌いなのかな」
「…そのようですね。わたくしも嫌いですが」

 自分たちと同じ顔をした2人に、クダリやエメットは親近感さえ感じているが、ノボリとインゴはどうやら……水と油らしい。同族嫌悪、というか。

(うわあ、ノボリ…名前のこととなると、前後不覚になるんだよねー…)

 それだけ好きだということなのかもしれないが、告白もできないノボリに、クダリは何度もめいわくをこうむっている。

(ヘタレってやつだよね、ノボリは)

 今日あたりシングルトレインに乗車する挑戦者は、まちがいなく、本気でたたきのめされるだろう。

「ノボリ、公私混同、だめ。冷静になって」
「…わかっております」



名前サマ、あなたサマとノボリは、お付きあいをなさっているので?」
「…え、いえ。私とノボリさんじゃ、釣りあわないですよー」
「…ふむ、そんなことはないと思いますが? ねえ、エメット」
「うん。ボクらの国の女の子よりも、名前のほうがずっとかわいい」

 苦笑いを返す名前に、エメットが笑いかける。

「かわいいよ、キミ。ボク、ウソつかない」
「あ、ありがとう…ございます…」
「ノボリとなんでもないのでしたら、ワタクシのものにおなりなさい」
「え、あの、ええっ!?」
「あなたサマに、惚れてしまいました」

 あまりにも急展開すぎてついて行けなくなったので、後日お返事を、という条件でこの日は別れた。
 翌日、インゴとエメットに呼びだされ、少し遅れて待ちあわせ場所へ行く。

「インゴ、鬼。ノボリが嫌いだからって、ノボリの好きな子かっさらう気でしょ?」
「なにを言いますか。あなただってたのしんでいるのでしょう? 好きなかたを取られたら、はて、あの男はどんな反応をするのでしょうか」
(は? なに、この人たち…。ていうか、ノボリさん好きな人いるの?)
「あ、名前!」
「…今の話、聞いていましたね?」

 思いきり、首を横にふる。

「聞いてたんですね?」
「…はい…。あ、でも、ノボリさんの好きな人って…誰なんですか?」

 2人とも、目を見開く。

「ここのジムリーダーではないでしょうか」
「へ、カミツレ…さん」
「ええ」
「…そう、なんだ…」

 しゅんとしてしまった名前に、インゴがニヤリと、人が悪そうに笑う。

「あなたサマはやはり、ノボリが好きなのですね。ですが、あの男は別に好きな女性がいる。だがワタクシならば、あなたサマを愛せます。ノボリなど忘れて、ワタクシとお付きあいくださいまし」
「…ごめんなさい。それでも私…ノボリさんが好きなんです。というより、ノボリさんじゃなきゃだめなんです」

 そうはっきりと言った名前の強い瞳に、インゴは己の胸に芽生えた違和感を感じていた──。





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