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Wat's your name?

【(一所に、って言ったら困るかな)】

「あの2人、まだ帰らないの? ぼくはエメットもインゴも好きだけど、ノボリ、インゴ大嫌い」
「クダリさん、そんなこと言ったらだめですよ。インゴさんもエメットさんも、いい人ですし」

 あいかわらず毎日のようにインゴからのラブコールは続いていたが、あたりまえになってきて、気にならなくなった名前が言う。

「インゴ、しつこい。名前こまってる。ノボリも毎日イライラ。ぼく、とばっちり。ツライ」

 苦笑うと、差し入れに持ってきたクッキーをわたす。

「これでも食べて、元気だしてください」
名前のクッキー大好き! うれしい! ありがと!」
名前さま? いらしてたのですか」
「あ、はい。これ」

 と、クッキーをさしだす。

「ありがとうございます。もしよろしければ…一所にお茶にでもしませんか?」
「ごめんなさい。これからインゴさんたちとお約束が…って、ノボリさんっ!?」

 腕を引かれ、連れて行かれた場所は、ノボリたちの休憩室らしい。

「ノ、ボリ、さん…?」
「わたくしのまえで、あの男の話をしないでくださいまし。それとも名前さまは、あの男が好きなのですか?」
「インゴ、さん? …好き、というか、その…」

 つぎの刹那、めのまえが暗くなったと思ったら、唇にやわらかいものが触れる。それがノボリの唇だと理解するまでに、数分を要した。

「好きでもないのでしたら、もうあの男とは関わらないでくださいまし」
「なっ…なにするんですか! だいたい、ノボリさんは私の恋人でもなければ、好きなかたもいるんでしょう!? 最低っ!」
「待ってください。好きなかた、ですって?」
「ノボリさんなんか、大っ嫌いっ!」

 走りさってしまった名前に、なすすべもなくぼうぜんとしていると、いつのまにか立っていたクダリが言う。

「ノボリ、いくらなんでもいきなりあれは嫌われる。せいてはことをしそんじる、だよ?」
「わかっています! ですが…!」
名前、ノボリの気持ち知らない。気づいてない。まずはきちんとつたえなかったら、本当に嫌われちゃうよ?」

 わかっている。これはたんなる自分のわがままで、ただの独占欲だ。

「ノボリ、もうわかってるかもしれないけど、このままだと本当にインゴに名前取られちゃう。そんなの、ぼくもやだ」

 ノボリだからゆずったのであって、いくら同じ顔をしているからと、昨日今日横から入ってきたやつに取られるなど……冗談ではない。

「ぼく、ノボリだから名前あきらめた。でも、インゴにはわたしたくない。ちゃんと引きとめてきてよ! じゃないと、ぼく、ノボリとは一生口きかない!」
「…クダリ…」
「ほら! シャキっとする! バトルのときのノボリ、ちゃんとしてるんだから、ぜったいダイジョウブ! もし振られても、なぐさめてあげる!」
「…クダリ、それ、行くまえからへこみます…」

 弟のやさしさとあたたかい手に押され、ノボリは名前を追い、走りだした──。

インゴ ノボリ



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