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Wat's your name?

【ばか。たったその1言だけ。】

─ノボリ Side Last─

名前さま、お待ちくださいまし!」

 息をきらせて追ってきたノボリに、腕をつかまれた。

「放して!」
「嫌でございます! ここで手を放したら、わたくしはきっと、一生後悔します」
「ノボリさんなんか嫌い…! ずっと好きだったのに…こんなひどい人だなんて…!」
名前さま!!!!」

 めずらしくおおきな声をだしたノボリに、おどろいて目を見開く。

「まずなにより、わたくしに好きなかたがいるというのは、もしやインゴが言ったのではありませんか?」
「…は、い…」
「それならば、名前さまはかんちがいをなさっています。わたくしが好きなのは…その、名前さまなのです…」
「…え…」

 ほおをそめて、だがしかし、目をそらすことのないノボリは……とても男らしく感じた。

「初めて名前さまを拝見したとき、そしてバトルをしたとき。わたくしはただ、強い相手だから胸が高鳴るのだと…」

 だがそれは、名前がバトルサブウェイにこなかった日もつづいていて、やっと自分の気持ちに気づいたのは……いつのことだっただろう。

名前さまがこのイッシュのチャンピオンになったと知ったとき、自分のことのようにうれしかった。ですが、同時にこわかった」
「こ、わい…?」
名前さまがどこかとおくへ行ってしまうような、むしろもう、手がとどかない人なのだな…と…」
「そんなこと!」
「ええ、ありませんでした。名前さまは今までと変わらず、挑戦者として、このバトルサブウェイをおとずれてくださった」

 それがノボリには、なによりうれしかった。今までどおり、名前がバトルサブウェイにきてくれる。それだけでよかった。

「インゴが名前さまに…その、キス…をしたとき、わたくしは本気でショックを受けました。あの男に、名前さまをうばわれてしまうのでは…と」

 ただ、こわかった。たいせつなものを失うこわさなんて、今までだって経験してきたはずだというのに。

「こんな気持ちになったのは、名前さまが初めてなのです。だから、どうしていいかわからず…」

 突然、ノボリは頭を横にふる。

「いえ、これはいいわけでございます。名前さまを好きなあまり、わたくしは…名前さまを独占したい、自分だけのものにしたいと思いました」
「…ノボリさん…」
「わたくしは…みにくいのです。それがわかっていながらも、気持ちがおさえられず…あのようなことを…。すみません…」

 嫌われて、とうぜんですね……と苦笑う。

「ノボリさんは、みにくくなんかないです。誰かを本気で好きになれば、誰だってそう思います。…げんに、私だってノボリさんに私だけを見てほしいって…思ってましたし…」

 ほんのりほおをそめる。

「もしまだそう思っていてくださっているのでしたら…わたくしのものに、なってくださいまし」
「…はい。あ、でも、名前にさまをつけないでくれたら…ですけど」
「…ふふっ、はい、わかりました。…名前、愛していますよ」

 ゆっくりと重ねあわさる唇に、たしかなしあわせを感じていた──。

ENDE 111004



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