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Wat's your name?

【空に吸い込まれる様な、】

「トリプルトレイン、まもなく発車いたします。白線の内側までさがって、お待ちください」

 アナウンスが流れる。ATOによって自動運転されているバトルサブウェイには、9つの路線があった。
 カナワタウン行きトレイン、シングルおよびスーパーシングルトレイン、ダブルおよびスーパーダブルトレイン。そしてマルチトレインとスーパーマルチトレイン。
 これらを担当するのは、サブウェイマスターのノボリとクダリ。通称は黒い車掌と白い車掌で、双子である。
 それとは別に、トリプルトレインとスーパートリプルトレインという路線があるのだが、こちらの担当は名前。女性だがバトルの腕を見込まれ、トリプルバトル専用の路線をまかされた。
 シングルトレインは1対1、ダブルトレインは2対2、トリプルトレインは3対3。どの路線も勝ち抜き式で、1回に7人のトレーナーと戦う。
 ノーマルトレインでは20人、スーパートレインでは48人に勝ち抜けば、サブウェイマスターと戦える……というしくみだ。

「ようこそ、トリプルトレインへ。本日はご乗車、まことにありがとうございます。私は、サブウェイマスターの名前と申します。お客さまの実力によって、終点へとご案内。それではお客さま、発車のご準備を!」

 すっかりおなじみとなった口上とともに、ポケモンを繰りだす。名前の手持ちはノーマルではヒヤッキー、バオッキー、ヤナッキーだ。
 スーパーのほうでは手持ちがダイケンキ、ジャローダ、エンブオーとなる。
 だがここに就職してからというもの、いまだサブウェイマスターの3人をやぶったものは、誰1人としていないわけだが。

「おてあわせありがとうございました。本日は私が勝利いたしましたが、勝負というのはときの気まぐれ。つぎにお客さまとバトルしたら、私が負けるかもしれません。これにくじけず、また新たに挑戦してくださることを、お待ちしております」

 サブウェイマスターは、けっしてトレーナーをおとしめてはならぬ。よって、バトルに負けたトレーナーが2度とバトルをしたくないなどと思わぬよう、心がけている。

(今日はちょっと、骨のおれるバトルだったわ…)

 とちゅう、あぶない場面もなかったとはいえない。

(帰ったら、少しきたえなおさないと)

 バキバキと鳴る肩に、たしかな疲労を感じつつ、トレインを降車する。

名前ー!」

 聞きおぼえのある声に、なにも聞かなかったことにすると、ムシをきめこむ。

名前ってば!」

 白い腕に、後ろから思いきり抱きしめられた。

「もー! なんでムシするの!?」
「…クダリが嫌いだから、ですね」
「うわ、はっきり言った!」

 人見知りが激しいクセしてなれると人なつこい白い車掌は、ほおをふくらませてつづける。

「ぼく、今日は圧勝だったんだ! ねえ、聞きたい!? 聞きたいよね!」
「聞きたくないので、お引きとりください」
「聞ーてよ!」

 早く帰りたいのにと思いつつ、はじまってしまったクダリの話を、聞きながす。





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