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Wat's your name?

【余りに、あっけなくて】

(あー、もうどんな顔して会えばいいのよ…。変に意識しなきゃいいんだろうけど…)

 というか、顔をあわせたくないなあ……。

「ボス? だいじょうぶですか? 顔が赤いですよ?」
「…え? …だいじょうぶ。だいじょうぶ…」
「今日はもう、帰ったほうがいいですよ」
「…!? …ノボリ、さん…」

 今1番顔を見たくないと思っている人に、おどろいて思わずまゆねをよせてしまう。

名前さまはわたくしが。あなたは、持ち場にもどってください」
「あ、はい。ボスをおねがいします」

 いやいやいや、おねがいしたらだめだろ。

「さ、行きますよ」
「どこにですか」
「医務室です」
「いえ、あの、べつにぐあいが悪いとかではなく」
「ではなんです?」

 おまえのせいだよ。……なんて、言えるわけもなく。

「誰のせいですか、誰の」
「わたくしのせいだとでも?」
「あなたが! ああいう意味のわからない行動をとるからです! しかも、考えないようにしようとしたとたんに顔見せるとか、どういう神経してるんですか!」
「理解できませんか?」
「あたりまえです! というか、理解もしたくないですけど!」

 つぎの瞬間、視界が黒一色におおわれた。抱きしめられたと理解するまでに、少しの時間をようした。

「ちょっ、ノボリさん!」
「好き、なのですよ。ただ、それだけです」
「はあ!?」
名前さまがどんなにわたくしをきらいであっても、わたくしはあなたさまが好きなのです。…めいわくだとわかってはいますが、どうにもとめられないのでございます」

 そりゃあまあ、恋愛感情なんてインスピレーションだし、しかたないのかもしれないけれど……。

「なんどもあきらめようとしました。ですが…」
「…わかりました。でも、私はあなたの気持ちには応えられません。むりなんですよ。…いろいろと」

 イケメンだとか言われてる顔もそうだけど、とにかくすべてに拒否反応がでてしまうのだから、どうにもならない。

「…いいのです。ただ、わたくしの気持ちを…おつたえしたかった。それだけです」

 と、解放してくれる。

「こまらせてしまって、すみません…」
「…いえ」

 なんでだろう。悪い人じゃないっていうのはわかるんだ。でもなぜか、拒否反応をおこしてしまう。

「…それじゃあ、私も持ち場にもどりますので…」
「…ええ…」

 背をむけて、歩きだした──。





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