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Wat's your name?

【歩く為に立ち止まる】

「ひ、ひいっ!」
名前さま!」
「ノボリさん」
「へっ、まっ、まさか…サブウェイマスター…!」
「やべえよ! こいつら俺らじゃ勝ち目ないって! ずらかんぞ!」

 あわててにげだした男たちに、バクフーンがほうこうをあげる。

「いい子ね」
「これは…バクフーン…?」
「あ、はい。ジョウトを旅立ったときにいただいた、ヒノアラシです」
名前さまは、ジョウトのご出身なのですか?」
「はい。旅にでたのが10歳のときで、行きついたのが、このイッシュでした」

 イッシュでは、トレーナーとしてではなく、1人の人間としていろいろなものを見てみたかった。

「旅は楽しいこともたくさんあるけれど、楽しいことばかりではなかった。だからもう一度、自分がなにをしたいのか、ゆっくり考えようと思って」
「そうでしたか…」
「でも、今はイッシュにきてよかったと思います。いい経験もできたし…」

 ノボリさんにも、会えたしね。

「あ、これ。コーヒーでよかったですか?」
「ありがとうございます。わたくし好き嫌いはないので、なんでもだいじょうぶでございます」
「ならよかった」
「クダリなどは、好き嫌いばかりでこまります。せっかく作った料理も、あれが嫌いだこれがいやだと、だだばかりこねるのです」

 ものすごく簡単に想像がついてしまって、思わず笑ってしまう。

「クダリさん、ニンジンとかピーマンとか、しいたけとか嫌いでしょう?」
「はい、その通りにございます」
「まるで大きな子供ですね」
「ええ、こまったものです」

 クダリさんのことだから、「これはニンジンが入ってるからいや!」とか、「これしいたけ入ってる!」とか言って怒るんだろうなー……。

「私は1人っこなので、むしろお2人がうらやましいです」
「ならば、名前さまがわたくしと結婚したらいいのです! そうなれば、クダリとは義兄弟になれます!」

 ……まーた話飛んでるし……。

「まだ、結婚とかは考えられませんけど…お、お付き合いくらいなら…」
「よろしいのですか!?」
「あ、でも、いきなり急な展開はやめてください。ゆっくりが好きなので…」
「はっ、はい!」

 うわ、むちゃくちゃ嬉しそうだ……。ノボリさんって、なれると意外にわかりやすいかも。

「観覧車、乗りません? あれなら、ノボリさんもこわくないでしょ?」
「わっ、わたくしは決して、こわいわけでは…! ただ、あまりスピードが体感できる乗り物が、苦手なだけにございます…」
「なるほど」

 かわいいなあ、なんと思いながら、観覧車へと乗り込む。
 クダリさんが実は高所恐怖症だとか、甘いものは好きだけど辛いものが苦手だとか、たあいのない会話をしているうちに……早くも観覧車は地上へ。少し名残おしい。
 でも、もう帰らないといけないな。時間も、だいぶ遅くなってきたもの。

「それじゃ、今日はこのへんで…」
「また…」
「はい」





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