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Wat's your name?

【空を見上げて何を思う】

「ノボリさん」

 ベランダで紫煙をくゆらせるノボリに、名前が声をかけた。

「…名前さま、服くらい着てくださいまし」

 下着姿の名前に、ノボリは軽く目をそらす。

「ユーリから、聞きました。お2人の仕事のこと」
「…そうですか」
「ユーリは…ときどき私の夢にでてきます。実際に自分の目で見たことはありません。そして、クダリさんとノボリさんのことたのむ、と…いつも言っていました」
「…われわれを?」
「はい。あと…裏稼業をしていることを、けいべつしないでくれ、と…。けいべつするもなにも、お2人と会ってみなければわからない、とだけ言っておきましたけど」

 と苦笑う名前に。

「…それで? わたくしたちは合格なのですか?」
「…ええ、私の思ったとおりのかたでした。…あ、でも、スケベっていうのは予想外ですね」
「…硝煙の匂いをとるには、セックスが1番早いのですよ。まあ、クダリのはただのスケベですけども」
「ノボリさん、1つだけ…おねがいがあります。…私に、お2人のお仕事をてつだわせてください」

 ノボリは一瞬考えてから、訊く。

「それはつまり、性欲の処理もしていただけると、そういう意味でございますか?」
「えっ…あ、はい…」
「…ではまず、銃の手入れからおねがいしましょう。きちんとおぼえてくださいましね?」
「はい!」
「そのまえに」

 と、ノボリは自分の肩にかけていた上着を、名前にかける。

「風邪をひきます」
「あ…ありがとう」

 黒いスラックスと白いシャツが、ノボリの雰囲気によく合っている。そのさまがなんとも妖艶で、思わず見魅ってしまう。

「どうしました?」
「ノボリさんって、細いですよね。しかも身長も高いから、すごく細く見える」
「…まあ、よく言われますね。クダリと2人で街を歩くと、モデルに間違えられたり、スカウトもされますよ」
「デスヨネー」



 お2人は、昼間は本当にただのサブウェイマスターらしい。夜は、よく知らない。私が知らないあいだにでかけて、知らないあいだに帰ってくるみたい。
 なんでも、私によごれた仕事はさせたくないとかで、ついてこさせたくない……というようなことを言っていた。
 なんにしても、私みたいなドシロウトが一所だと、お2人も動きづらいんだろうけど……。

名前、それ持ちかたが違う」

 クダリさんはいつも刀を使っていたから、銃をあつかえないのかと思っていたのだけれど、どうやら違うようだ。
 ノボリさんがいないときはいつも、クダリさんが私の銃の特訓につきあってくれた。

「こうだよ。このほうが、確実に急所を狙える」
「あ、はい」
「きみすじがいいから、すぐに上達するよ」

 クダリさん本人が言うには、"銃はかんたんに相手が死んでしまうから、たのしくない"のだそうだ。

「わ、あたった! あたりましたよ、クダリさん!」
「うん、つぎはあそこ狙ってみて」

 と、まんなかを指す。無理だと思いつつも、クダリさんに言われるがままに、銃をかまえた──。





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