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Wat's your name?

【ここに、貴方がいた証】

「タブンネ!」
「ターブンネ〜」

 子供のころ、出会ったお兄さん。顔もおぼえていないのだけれど、ポケモンを、すごく優しい目で見る人だった。

「今日は、あなたとの約束を果たしにきたんだ」
「タブンネ〜?」
「私ね、今日ポケモントレーナーになったんだ! だから、あなたをゲットさせて! これからは、ずっと一所だよ!」
「タブンネ!」

 初めて出会ったタブンネは、心ないトレーナーにいじめられていて。おさなじみのチェレンやベルと、必死にかばった。
 それ以来、私はほぼ毎日のように、あのタブンネに会いに行った。かわいそうとかじゃなくて、心配で仕方なかった。いつかトレーナーになったら、この子を私のそばにおきたいと思ってもいたし。
 私には彼女の言葉はさっぱりわからないけれど、そのぶん、タブンネはたいどでしめしてくれる。
 うれしそうにすりよってくれるタブンネに、モンスターボールを開く。投げ当てるのは嫌だったから、そっと手で。

「タブンネ、おいで!」
「タブンネ!」

 嬉々としてボールにおさまってくれたタブンネに、モンスターボールごしに、頬ずりをした。

「ありがとう、タブンネ。これで、本当の意味であなたを救えたらいいな…」

 きっとさんざん人間にいたぶられたタブンネを、本当にいやすことなんて、できないのかもしれない。それでも、これでもう彼女がいじめられることはないから……。

(こんなの、自己満足でしかないって、わかってる。でも…)

 それでも私は、この子を放っておくなんて、できなかったんだ──。



「まずはサンヨウジムかー」

 地図を確認しながら、一緒に歩くタブンネのウネを見る。

「サンヨウジム、シッポウジム、ライモンジム。あとホドモエジムと、フキヨセジム、最後はソウリュウジム。この8つのジムを回ってバッジを集めると、ポケモンリーグに挑戦できるんだよ」
「タブンネ?」
「チェレンって、覚えてる? チェレンはね、ポケモンリーグを目指すんだって」

 私はまだ、決めてない。ポケモンリーグを目指すか、図鑑をうめるか。あるいは、バトルを楽しむために、ライモンシティのバトルサブウェイを目指すか。

「うーん、どれも私には向かないかな…」

 バトルはあまり好きじゃないし、得意でもない。かといって、図鑑をうめるだけっていうのも、つまらない気がする。

「ひとまず、新しいポケモンを探しながら、ジム制覇してみますか! よろしくね、ウネ!」
「タブンネ!」
「そうと決まったら、特訓だね! 野生の子じゃ可哀想だから、うん、手持ち同士でやればいいね」

 野生ポケモンをいじめるみたいで嫌だから、手持ち同士を戦わせて、強くすることに決めた──。





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