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Wat's your name?

【ご免ねを言う前に】

「そうだね。ポケモントレーナーになるには、いろいろ苦労もある。しなくてもいい苦労をさせたくないのは、親として当然だ」
「おたがい、気苦労はたえなそうですね」

 2人して苦笑いすると。

「ところでセンリさん、ご用件は?」
「あ、そうそう。コイツのことで、相談にきたんだよ」

 と、包帯の巻かれた、いたいたしいヒノアラシをさしだす。

「心ない密猟者のわなにかかっていたんだが、そのせいか、誰にもなつかない。食事もしないから、この通り、すっかりすいじゃくしてしまってね…」
「こんなにやせ細って…。かわいそうに…」
「それで、いろんなトレーナー…それも優秀なトレーナーに当たったんだが、同じ結果しかえられなくてね…」

 なるほど。それで、最後にたずねたのが私なのか。

「もう、きみしか頼る人がいない。…どうかな?」
「センリさんは、私のピカチュウのことは?」
「聞いている。だから、他のトレーナーをたよったんだが…」
「ダメだった」
「…そう。」

 少し、考えて。

「娘とも相談してみないと。あの子とこのヒノアラシが気が合わないようでも、こまりますし」
「…わかった」



「もう! ちゃんと言うこと聞いてよ!」
「ぴーか、ちゅっ」

 今朝はとても天気がいい。でも、私の心は雨。
 朝、ママがトキワシティに用事があるという。だけど、ママにはお仕事があるから、無理を言って……私がトキワに行くことにしたのだけれど……。
 マサラに住む私がおとなりのトキワに行くのには、どうしても草むらをさけられない。でも、私はポケモンを持っていないから、今までマサラをでたことでさえ……数えるほど。しかも、いつもママと一所だった。
 でも、今回は違う。ママがだいじに育てたというピカチュウを、おともに借りた。私には、大冒険だ。なのにこのピカチュウときたら……。

「言うことは聞いてくれないし、先に行っちゃうし…」

 トキワには無事に着いたからいいようなものの、かわいげのかけら片もない。まあ、私がたよりないんだから、しかたないけど……。

「もう、どこ行っちゃったのよ…」

 かってにどこかへ行ってしまったピカチュウをさがしてて、トキワシティの出口近くにいたおじいさんに、声をかける。

「すみません、耳のかけたピカチュウを、見かけませんでしたか?」
「あれ、おまえさんのポケモンかい? トキワの森に、1人で向かったぞい」
「え、森に…?」

 危険だから案内してくれるというおじいさんに着いて、昼なお暗い、トキワの森へと向かった──。



「ピカチュウー、ピカチュウー!」

 なん時間もさがし歩いたけれど、でてくる気配もないし。姿も見えないし、鳴きごえも聞こえない。
 あたりは真っ暗だし、心ぼそくなってきた。泣きそうになりながらも、森の奥へ奥へと向かう。
 するとなにやら、明るい場所にでた。





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