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Wat's your name?

【貴方についていきます】

「あっ、ピカチュウ…? …でも、あれ?」

 ママのピカチュウなら、耳がかけてるはず。なのに、あのピカチュウは、両の耳とも、ちゃんとある。じゃあ、あれはもしかして……。

「野生のピカチュウかな? しかも、あんなにいっぱい…」

 なん10匹ものピカチュウが、1匹のピカチュウ……耳がないから、ママのピカチュウだ。……を中心に、集まってきている。

(なにをしてるんだろう…?)

 ピカチュウたちはみな、思い思いの場所に座ったり立ったりしていて、しかも不思議な動きをしている。そしてピカチュウたちが動くたびに、光がましているように感じた。
 その光があまりにもきれいで……思わず見とれていると、真ん中にいたママのピカチュウが、頭の上になにかをかざした。その瞬間、あたりが強い光に飲まれる。
 思わず目をつぶった。しばらくして、目をひらくと、そこにピカチュウはいない。たしかあれは、ライチュウだ。相変わらず耳は欠けているから……間違いない。進化したんだ。

「すごい…」

 いつの間にか、野生のピカチュウたちはどこかに行ってしまっている。はっと我に返ると、なにかに、服のすそをつままれた。

「えーと…」
「ぴちゅ?」

 首をかしげて見あげるしぐさが、とてもかわいい。

「ピチューちゃんだ」

 ピチューは、私の手の中……袋に木の実が入っている……を、ものほしげに見つめた。

「ほしいの? でも、ダメなんだ。おつかいでたのまれたものだから」
「ぴ? …チュー…」

 とっても悲しそうなピチューがかわいそうで、1つだけなら……と、オレンの実をあげた。ピチューの顔が、パッと明るくなる。

「ピッチュ!」

 嬉しそうに受けとって、両手につかんでちょこんと座ると、すぐに食べ始めた。
 その様子に、えらいね、と頭をなでる。と、更に嬉しそうな顔になる。

「あ、ライチュウ」

 やっと私に気づいたと言わんばかりに、ライチュウが近づいてくる。と、ピチューはおびえて、私の背中にかくれてしまう。

「大丈夫。体は大きいけど、優しいから、ね?」

 優しく背中をなでてあげると、こわごわとライチュウに近寄り、2匹はしっぽであいさつを交わす。
 ライチュウがこわくないとわかると、こんどは、遊びだした。ライチュウの方が、おっかなびっくりふれているように見える。

「同じ種族だと、気が合うのかな」

 このままずっと遊ばせてあげたいけど、もう夜も遅い。家に帰らないと、ママが心配してる。そう、ライチュウに言う。

「…ライ」

 ライチュウが、着いてこいとでも言いたいのか、森の出口へと向かう。

「バイバイ、ピチュー。元気でね」

 手を振って歩きだした私を、ピチューが追ってくる。

「ダメだよ、おうちに帰らないと。ママとパパが心配するよ?」
「ぴ?」

 笑って首をかしげるだけで、なんかい追いはらっても、ピチューはいっこうに帰ろうとしない。結局、マサラタウンの自宅まで着いてきた。





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