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Wat's your name?

【この手に触れて】

「ただいまー」
「お帰りなさい。遅かったわね。心配したのよ?」
「ごめんね? ピカチュウがトキワの森に行っちゃって、探してたの。そしたら、進化の儀式みたいのしてた」
「まあ! それは、いいものを見せてもらったわね」

 ママがライチュウを呼ぶ。

「ありがとう、ライチュウ。名前に素敵なものを見せてくれて」
「らーい」

 ママに頭をなでられて、ライチュウは嬉しそう。

「そうだわ。おとなりのオーキド博士のところに、ママの知り合いがきてるの。あなたにも関係があることだから、着いてきて」
「わかった。ね、ママ。この子どうしたらいい? 木の実をあげたら、着いてきちゃったの」

 と、ピチューを見せる。

「まあ。…きっとそのピチューは、あなたをあるじと決めたのね。…ママのモンスターボールをあげるから、つかまえてみなさい」
「いいの!?」
「このまま逃がす方が、かわいそうよ。…はじめてのポケモンゲット、がんばって」
「うん!」

 早くボールに入れてほしそうなピチューに向けて、その足元をねらい、優しくボールを投げた──。



 人間不信のヒノアラシ。なぜか、私がめんどうを見ることになった。

「はじめてで、しかもボールも使わずにピチューを連れてくるとは! この子には才能があるぞ!」
「ええ、私もそう思います。もしかしたら、ジムリーダー以上のおおものになるかも。…名前ちゃんが私と戦う日も、くるかもしれないね」

 オーキド博士がおどろいて、トウカジムのジムリーダーだというセンリさんが、嬉しそうに笑顔を向ける。
 だけど私は、ヒノアラシが気になっていた。

「ご飯食べないの? お腹、空いてるんでしょ?」
「…ヒノッ!」

 ご飯をさしだした私の指を、ヒノアラシは思いきりかんだ。

「…っ!? …痛い…」

 でもきっと、ヒノアラシが受けた心の傷の方が、ずっと痛いはず。それを思ったら、涙があふれた。

「ごめんね、ごめんね…」

 涙がとまらない私に、ヒノアラシはバツが悪そうな顔で、そっぽを向く。

「人間を嫌いでもいいよ。ご飯だけでも食べて…」
「…ひーの」

 しかたなさそうに、ポケモンフードを1粒だけ、手にとる。しばらくながめていたけれど、少しだけかじった。

「…ひの?」

 美味しかったのか、ちょっとびっくりしてから、がつがつと食べはじめる。

「ほお…、あのヒノアラシが…」
「これは、名前ちゃんの愛情の勝ちじゃな。まだなついてはおらんから扱うのは大変じゃろうが、名前ちゃんにヒノアラシをあずけてはみんかね、アイリさん」
「…ええ。そうしてみます」

 こうして私は、今日だけでも2匹のポケモンを、自分のものとした──。



「あらレッド、お早う。お寝坊さんね」
「…おはよう」

 大きなあくびをかみ殺し、母が作ってくれた朝食にありつく。いつものように、それを食べつくし。

「そうそう、となりのオーキド博士が、あなたを呼んでいたわよ。あとで、研究所にきてくれって」
「ん、わかった。ありがとう」

 レッドはいつもどおり、ゆっくりマイペースに、家をあとにした──。





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